となりの読書会。

となりの読書会。

読書会っておもしろい♪ 大阪府豊中市で開催しているママ向け、子ども向け読書会の記録と 、子どもとの遊びネタ、手作りおもちゃ、おもしろい本の話などを書いてます。 お子さんを喜ばせたいママ、 読書が好きな人、ぜひのぞいていってくださいね。

雨の日も、外で遊ぼう

 18歳から、6年間
地元の小学生たちとキャンプやスキーに行く野外活動のボランティアをしていた。

何度も打合せを重ね、
キャンプ2泊3日分のプログラムを考える。
 
晴れの日なら、ワクワクするプログラムを考えられる。

みんな頭を悩ませるのは、雨の日のプログラム作りだった。
室内にこもって、工作したり、遊ぶだけだとつまらない。

けど、カッパ着て出ても散策以外、何していいのかわからない。
濡れたあとはすぐお風呂にはいらなきゃいけないので
時間も、少なくなってしまう。 

キャンプで雨が降ると、せっかくの楽しいプログラムができなくなり
いつも残念な気持ちになっていた。
 
そんなとき、理事長に言われた。

「君たちは、どうして、雨になったら
中で遊ぼうとするんだ。
晴れの日の自然だけが、自然じゃない。
雨だって、自然なんだ。
雨の日の自然をもっと感じてほしい」
 
その時に言われた言葉が
ずっと今まで、自分の中に残っていた。


子どもが生まれてから、
保育士の勉強を始めた。
関連する本をたくさん読んだが、
そのたくさんの本の中に
いつも紹介されている気になる本があった。

それが

レイチェル・カーソン

センス・オブ・ワンダー』だった。

センス・オブ・ワンダー



レイチェル・カーソン
アメリカのベストセラー作家であり
海洋生物学者でもある。
 
彼女は、小さな甥っ子ロジャーを連れて
真っ暗な嵐の夜に、荒れる海を感じに行った。
雨が降ると生き生きとしだす森へ散歩に行った。
森の中で、ロジャーの指ほどの小さなトウヒの若木を見ては、
こっちはリスのクリスマスツリーで
こっちはウサギのクリスマスツリーだと
動物たちにクリスマスツリーを選んで遊んだ。

自然の中で、生き生きと楽しみ、
その美しさを静かに感じられる
彼女とロジャーをみて
こんな風に子育てをしてみたいと思った。

ただ、私は自然のことをほとんど知らない。
鳥の名前も、花や木の名前も。

でも、彼女は言う。

『「知る」ことは「感じる」ことの
半分も重要ではないと固く信じています』
と。
 
それならきっと、今の私にもできる。
 
雨の日の森に出かける二人と、
理事長の言葉を思い返し、
子どもと雨の日の公園にでかけることにした。
 
私まで、町中でカッパを着るのはいつ以来だろう。
 
傘は差さずに、公園にむかう。
 
雨に濡れながら、
子どもたちのワクワクが伝わってくる。
 
公園には誰もいなかった。
 
いつもは
「水たまりに、入らないでね」
と言っていたが
今日は
「汚れてもいいから、好きなだけ遊んでいいよ」
と、言った。

2歳の次女は、水たまりに飛び込み、
6歳の長女は大きな木の枝を拾ってきて
地面にできた、雨の流れに
支流を作るのに夢中だ。
 
「ママも、やって」
 
普段、泥遊びに付き合うことはあまりなかったが
久しぶりに泥を触る。
泥団子を作るよりもっと水の多い泥を
ぺちゃぺちゃと両手に移し替えて遊ぶ。
 
この感触、懐かしいな。

子どもの頃の感覚が一気によみがえるようだった。

雨も自然。
雨の時にしか見られない自然がある。
 
あぁ、ほんとにそうだなぁ。

顔もカッパも靴も、泥まみれになった子どもたちと
満ち足りた気持ちで家に帰り
あったかいお風呂につかった。


この本のおかげで
身近な自然を、子どもと一緒に
感じることができるようになった。

歩道や、公園に木は生えているが
決して自然の多い場所に住んでいるわけではない。
 
それでも、
子どもと一緒に、
道端に咲く小さな花を見つけて喜ぶことができる。
公園の落ち葉の多いところに行って
落ち葉をカサカサけり上げて歩き、
手に取って、落ち葉を降らせる楽しさを感じられる。
雑草を引き抜けば、広く張り巡らされた根に驚くことができる。
 

この本と、子どもたちから
自然の感じ方を教わった。
 
私や、子どもたちの中にある
この自然を感じる力を
ずっと残していけたらいいなぁ。

 

 

センス・オブ・ワンダー

センス・オブ・ワンダー

 

 

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